lemon boles

2009

代々木公園(東京)

毛糸

2009/05/31  10:00〜15:00 曇りのち雨


公園に来た人々の  [痕跡 ]  を作品に投影したかった。

同時にそれは、 [空間作品に時間の要素を取り込む ]  ための試みだった。


黄色い毛糸玉120個をレモンのような形に巻いて代々木公園の一画に並べ

通行人に声を掛けて、このレモンボールを自由に動かしてもらった。

人々は思い思いに転がしてみたり、糸を引き出してみたり遠くに投げてみたり

開始時点では3m平方に整列されていたレモンボールたちは

流れるようにやって来る通行人の負荷を受けて

5m、10mと空間を自在に広がり動いていった。

 

15:00

ボールの形状は跡形も無い。

絡み合い縦横無尽に駆け回る糸は、ボールの動いた跡を残すかのように公園を包んだ。

 

 

16:00

土砂降りの雨が突然襲う。

張り巡らされた糸々は、たっぷりとした雨の空気に、軽く、しなやかに溶け込んでいた。

水を滴らせたその佇まいが、この実験の終焉に相応しく感じられ、「完成した」と直感的に思った。

イベントも雨天中止に。そのまま回収作業に入った。

 

 

  2010.08.31追記